手順

ランナー向け筋トレの重量設定方法:RMを使った負荷の決め方

筋トレ 重量設定 方法をランナー向けに解説。RM、%1RM、RIRを使い、1RMを直接測らずに負荷を決めて走練習に合わせる手順が分かります。

ジムでバーベルの重量を調整しながらスクワットを行うランナー
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目次
  1. RMとは何か:重量ではなく反復限界で考える
  2. ランナーがRMを使う理由
  3. 手順
  4. 目的別にRMを選ぶ
  5. 走練習の週に合わせて重量を調整する
  6. よくある失敗と直し方
  7. 今日から使う判断ルール
  8. 出典

筋トレ 重量設定 方法の基本は、何kgという絶対値ではなく、正しいフォームで何回できるかを示す最大反復回数(RM)で決めることです。ランナーは1RMへ直接挑まず、軽い重量から8〜10回の反復を確認し、余力と走練習の疲労を記録して次回の重量を増減すると、安全性と継続性を両立できます。

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RMとは何か:重量ではなく反復限界で考える

最大反復回数(RM)は、決めたフォームと可動域を保って反復できる限界回数です。レジスタンストレーニングでは、1回が限界なら1RM、10回はできても11回目ができないなら10RMと表します。重量そのものではなく、その人の能力に対する相対的な運動強度を示す点が重要です。

例えば、40kgで10回を完了し、11回目を正しいフォームで挙げられない場合、40kgがその種目の10RMです。同じ40kgでも、5回で限界になる人と15回できる人では刺激が違います。体重や性別だけで作った重量表より、自分の反復結果を基準にしたほうが個別化できます。

1RMは実測しなくても推定できます。O’Conner式は次の形です。

推定1RM=使用重量×(1+反復回数÷40)

40kgを10回できた場合は、40×(1+10÷40)で推定1RMは50kgです。ただし、計算値はフォーム、種目、疲労で変わる目安です。初心者が「計算で50kgになったから」と、その重量へすぐ挑む必要はありません。

RM法の解説には「重量の絶対値よりも『自分にとっての相対的な強度』が重要です」とあります(とらっぷるのRM法解説)。この一文が重量設定の核心です。比較する相手はジムの隣の人ではなく、同じフォームで行った前回の自分です。

ここで似た言葉を整理します。%1RMは推定または実測した1RMを100%とした使用重量の割合、RIRはセット終了時にあと何回できたかという余力、オールアウトは正しいフォームでもう1回も反復できない状態です。RMは限界の位置、RIRは限界までの残り距離を示します。

ランナーがRMを使う理由

ランニング筋力トレーニングを組み合わせるなら、回数を増やすだけでなく目的に合う負荷が必要です。Sports Medicine誌のメタ解析は高負荷を1RMの80%以上とし、8.64〜17.85km/hでランニングエコノミーに小さな改善を示しました(ES=−0.266、p=0.039)。

ランニングエコノミーは一定速度で走るためのエネルギー効率で、最大酸素摂取量(VO2max)そのものとは別です。研究期間は6〜24週間、頻度は週1〜4回でした。30回×3セットより5回×3セットの高負荷・低回数が有利だったというランナー向け解説もあり、「持久系競技の筋トレは高負荷・低回数が良い」と要約されています(小谷修平のランニング講座)。

ただし、初心者の初日まで高負荷にしません。同じ解説は、まず10回×3セットで動作を覚える案を示しています。ランナー向け筋力プログラムではフォーム習得期と基礎筋力期を分けます。

高負荷だけが選択肢でもありません。プライオメトリクスは、伸張短縮サイクルを活用する補助法です。腱スティフネスを介して地面反力を推進へつなげます。メタ解析では12.00km/h以下で改善の可能性が示されました。全体像は筋力トレーニング完全ガイド、跳躍系はプライオメトリクスの効果と注意点で確認できます。

手順

最大反復回数は、ウォームアップ後に同じ種目・フォームで反復限界と余力を確かめます。基準種目にはスクワットなどを選びます。

flowchart TD
  A[目的を1つ決める] --> B[種目と可動域を固定]
  B --> C[軽い重量で準備]
  C --> D[8〜10回を試す]
  D --> E[回数と余力を記録]
  E --> F{フォームを保てたか}
  F -->|はい| G[維持か最小刻みで増量]
  F -->|いいえ| H[重量かセット数を減らす]

図1: RMを推定して次回重量を決める流れ。

ステップ1: トレーニング目的を1つ決める

最初はフォーム習得か基礎筋力の一方を優先します。

目標設定が曖昧なまま「10回」を続けるのが失敗です。「同じ深さでスクワットする」「8〜10RM帯を安定させる」のように観察可能な目標へ直します。

ステップ2: 種目・可動域・テンポを固定する

同じ重量を比較するには、足幅、可動域、テンポをそろえます。

身体重心ランニング姿勢を崩す反動は使いません。股関節膝関節の違和感があれば中止します。

種目別の注意はスクワットの特徴で確認できます。ランジプランクはRMを別管理し、プランクはプランクの効果に分けています。

ステップ3: 軽い重量から8〜10回を試す

初回は1RMへ挑まず、サブマックスから始めます。40kgで10回できて11回目ができなければ40kgが10RMです。まだ2-3回できるなら厳密な10RMではありませんが、導入重量に使えます。初心者の失敗は周囲の重量を真似ることなので、1段階軽い候補から確認します。

ステップ4: RMとRIRを同時に記録する

最大反復回数のセット後は、重量、回数、RIR、直前の走練習を記録します。RIR 2は「あと2回できた」という意味です。失敗は回数だけ残すことです。挙上速度、可動域、残り回数の感覚も記録します。

ステップ5: 次回の負荷を維持・上方修正・下方修正する

次回はフォームと余力を再現できたかで決めます。

2-3回の余力があれば最小刻み、または2.5-5%で上げます。予定より±2回を大きく外れた場合は5-10%調整します。漸進性過負荷は、毎回重くすることではなく刺激を段階化する原則です。

ステップ6: 走練習への影響を翌日まで確認する

最後は翌日の走りへの影響まで確認します。

ランニングフォーム有酸素運動の質を記録します。高重量後は1〜2日の回復期間が必要という説明があります。睡眠を確保しても走りが続けて崩れるなら、重量より先にセット数や曜日配置を見直します。

目的別にRMを選ぶ

運動強度は、目的と習熟度で選びます。最大反復回数は「数値が小さいほど常に優秀」というランキングではありません。フォーム習得では反復余力を大きくし、基礎筋力では低回数側へ段階的に移ります。

目的RM・負荷の目安ランナー向けの使い方主な注意点
フォーム習得15RM以上新しい種目の可動域と姿勢を覚える限界まで追い込まない
筋肥大8〜12RM補強期に筋量も必要な場合走行量が多い週は疲労を確認
最大筋力1〜5RM熟練者が基礎期に扱う補助者と安全設備が必要
ランナーの基礎筋力4〜12RM習熟度に応じて低回数側へ進む初週から高負荷へ飛ばない

一般向けRM解説では、初心者は15RM以上、筋肥大は8〜12RM、筋力は1〜5RMと整理されています。ランナー向け解説では、最大筋力向上を4RM〜12RM、持久系練習と併用する高負荷を1RMの85%程度で5〜8回としています。両者の差は矛盾ではなく、初心者の導入と、動作を習得したランナーの基礎筋力期を分けていると読むと実行しやすくなります。

具体例も見てみます。1RMが70kgなら70%の49kgは11RM、1RMが56kgで8〜10回を狙う場合は45kgが適正重量の例として示されています。ただし、この換算は種目ごとに違います。下半身の複合種目で得た割合を、そのまま上半身や片脚種目へ移しません。

レジスタンストレーニングでは、目的に合う反復帯を正しいフォームで再現します。身体組成を変える筋肥大だけを狙わず、筋肉痛を抑えながら走りに必要な刺激を積み上げます。

走練習の週に合わせて重量を調整する

トレーニング負荷は、走行距離、強度、筋トレ、回復の総量です。コンカレントトレーニングでは、通常日の最大反復回数を基準にしつつ、当日の余力で調整します。

自覚的運動強度(RPE)とRIRは「今日の反応」を示します。週間走行距離が増えた週やロング走の翌日は、重量よりフォームを優先します。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)の解説は、158人を12群に分け、8週間のベンチプレスを比較した研究を紹介しています。相対負荷は40〜55%、55〜70%、70〜85%1RM、速度低下は0%、15%、25%、50%でした。同じ速度低下なら高負荷ほど最大筋力の改善が大きく、同じ負荷なら中程度の速度低下が有利でした。

「負荷と疲労は、同じトレーニング刺激を構成する補完的な2つの側面です」(ACSM、原文英語)。この知見は、重量表だけでなく疲労も管理する理由になります。

FITT原則に沿って、インターバルトレーニング翌日は重量かセット数を下げます。マラソントレーニングのレース週は新しいRM測定を避け、テーパリングを優先します。曜日配置は筋トレとランニングの両立スケジュールで確認できます。

運動後の回復が不足した日は、アクティブリカバリー休養日を使います。重量を下げる判断は後退ではなく、週全体の質を守る調整です。

よくある失敗と直し方

神経筋疲労が強い日は、筋肉痛が軽くても動作精度が落ちます。最大反復回数を固定の能力証明にせず、次の失敗を分けます。

初日に1RMを直接測る

初日の最大重量は技術と安全管理の問題が重なります。8〜10RMとO’Conner式で推定し、補助者や安全バーがなければ直接測定を避けます。

フォームを変えて回数だけ増やす

可動域や反動を変えた回数は、同じRMの比較ではありません。動画と記録で基準を固定します。

毎セット限界まで行う

オールアウトの反復は疲労を増やします。最大筋力を狙う日でも、全セットを失敗反復まで続けません。

走練習を無視して重量を固定する

ロング走翌日は、遅発性筋肉痛(DOMS)、RPE、RIRを見てその日だけ下げます。

痛みを「効いている証拠」と扱う

股関節や膝関節の鋭い痛みは努力感とは別です。オーバーユース障害が疑われる場合は中止し、専門家へ相談します。

重量だけを増やして回復を削る

筋タンパク質合成を含む回復には時間が要ります。重量、回数、セット数を同時に増やしません。

今日から使う判断ルール

最大反復回数は、増量・維持・減量の3択で判断します。基準はフォーム、RIR、直前の走練習、翌日の影響です。

  • 増量:設定回数を再現し2-3回の余力があれば、最小刻みまたは2.5-5%で上げます。
  • 維持:終盤にフォームが揺れた、または走行量が増えた場合です。
  • 減量:回数や可動域が大きく落ちたら5-10%下げるか、セット数を減らします。

最大筋力トレーニングとプライオメトリクスを週2回・10週間加えた群は、90分走後の高強度走を対照群より35%長く継続したという解説があります。ただし、心肺体力や身体組成は人ごとに違います。研究は方向づけに使い、日々の重量は自分のRMと余力で決めます。

出典